歯医者の転院は”事前準備”が肝心!歯医者さんが教えてほしい「3つのこと」 その②
2022/05/05
治療中に歯医者を移すのはどのタイミングがいい?
疑問を持ったら、基本的にはどのタイミングでもいいです・・・
インタビュアー:治療のタイミングについてですが、こういう段階が適しているなど何かありますか?
小安先生:疑問を持ったら、基本的にはどのタイミングでもいいです。ただ、高額の支払いをしている場合は、返金可能か通っていた先生と話し合った上で来てもらった方がいいですね。高額な費用の背景には先生の治療計画もあるかもしれませんから。
インタビュアー:先生のところに治療途中の患者さんが来られたとき、これちょっと難しいなというものはありますか?
小安先生:一番難しいのはインプラントです。インプラントの場合、土台、被せ物が「どのメーカー」「何の材料」を使用したのか、見分けがほぼできません。
大学病院のインプラント科がレントゲン撮っても判明しないことが多く、インプラント向け歯科医師向けの「材料の見分け方の本」まで出ているほどです。保証期間、使った材料の情報がない治療はできないのでお断りすることもありますね。
最終手段は、全部抜いて最初から埋め直す方法ですね。
インタビュアー:そうなんですね。インプラントのような自由診療はトラブルが起きやすいのですね。
小安先生:以前に比べてトラブルは増えていると思いますね。訴訟につながるケースもあります。患者さんも、「ここまで費用をかけたのに」とショックが大きくなりやすいのでしょう。インプラントだけでなく、マウスピースや矯正のトラブルも多いです。ワイヤー矯正やマウスピースだと、顎の大きさに合っていないものを作られたなどのケースがあります。
歯医者さんの転院で失敗しないためには?
インタビュアー:トラブルになりやすいからこそ、転院をする際は気を付けておきたいところですよね。治療途中の状態で受診する場合のポイントってありますか?
小安先生:患者さんが引っ越した場合、一番安心のクオリティで診てもらうなら、その近所の大学病院に行くのが確実です。大学病院の歯科は治療計画が一定していておすすめです。
インタビュアー:そうなんですね!大学病院がおすすめなのですね。患者さんって初めて診てもらう歯科医院を探すとき「ここで大丈夫かな?」って不安になると思うのですが、選ぶ際はどこを見ればいいのでしょうか。
小安先生:どこを見ればいいかは知らないと難しいですよね。まずその歯科医院のサイトにある医院長先生の経歴やブログを見てみましょう。「○○学会所属」なども書かれていれば勉強会に足繁く通っている、勉強熱心な先生の可能性は高いです。また、腕に自信のある先生は症例を自分から紹介していることもあるので、そこも見極めのポイントです。
歯医者さんを転院する際に「するべきこと」
インタビュアー:治療途中の患者を診るとき、「これだけは患者さんに準備してほしい」ことはありますか?
小安先生:やはり、今まで通っていた先生から紹介状をもらうのがベストですね。ただ、保険診療の場合、どこの歯科でもやるべきことはあまり変わりません。
そのため、前の先生のどこが苦手だったのか?を知りたいです。苦手だったところをフォローできるようにするためです。
また、準備ではないのですが、自分の歯や口に興味を持っておいてほしいですね。歯はケアが大事なので。自分の歯や口腔環境について積極的な患者さんであれば、こちらもケア方法を教えやすいですね。
インタビュアー:素直に話を聞く熱心な患者さんには教えたくなりますよね。先ほど自由診療でトラブルが多いとおっしゃっていましたが、自由診療でミスマッチを防ぐ方法などありますか?
小安先生:そうですね、いきなり自由診療を受けないことをお勧めします。焦らずに保険診療で治療しながら、考えることをおすすめします。歯を抜くのはある意味最終手段でもいいんですから。
インタビュアー:歯を抜くのは先延ばしにしてもいいとは意外です!それはなぜですか?
小安先生:ケースによってはすぐ抜歯しないと大変な事になる場合も多々あるので、そこは一概には言えませんが、何年後かにもっといい材料や新しい技術が出て来て、治療が受けられる可能性もあるからです。歯の一本の値段は150万円と言われていますので、なるべく自分の歯の価値を知って、大事にしてほしいなというのが私の考えです。
まとめ
小安先生の話を聞いてみて、「ポイントを抑えればうまく転院ができる」ということが分かっていただけましたでしょうか。その際に決め手となるのは今まで通っていた先生から紹介状をもらうということでした。「歯医者さんを変えたい」と思っている方は、自分の歯をどうしていきたいかに向き合って、適切な歯科医院を選んでいきましょう。