デンタルフロスで歯垢を除去!正しい使い方と注意点を解説
2022/11/12
フロスは歯垢の除去に効果的!
歯医者さんでも使用を勧められることが多いフロスですが、実際にどんなメリットがあるのでしょうか。 毎日の歯磨きにフロスを取り入れるメリットを紹介します。
歯のフロスをおすすめする理由
歯ブラシだけの清掃では、1本ずつていねいに磨いたつもりでも、どうしても磨き残しがあるものです。実際に、「歯ブラシだけでは歯と歯の間のプラーク(歯垢)の61%しか除去できない」といわれています。
歯ブラシだけだと、プラークや食べかすが歯と歯の間に残ってしまうのです。
しかし、歯ブラシだけでなくフロスも使った場合、歯と歯の間のプラークを79%まで除去できるといわれています。さらに歯間ブラシを加えると、85%まで除去が可能です。
プラークが残ると虫歯や歯周病の原因となります。そのため、毎日の歯磨きでは歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシの併用がおすすめです。
歯間ブラシとの使い分け方
歯と歯の間にアプローチするアイテムには、フロスと歯間ブラシがあります。どちらか一方を使えば良いということではなく、歯の隙間に合わせて使い分けることが大切です。
フロスは細い繊維を糸状にしたもので、狭い隙間に適しています。歯並びを見たときに歯と歯の間にそれほど隙間がないように見えるなら、フロスを使うと良いでしょう。子どもから大人まで使えるアイテムです。
歯間ブラシは、歯と歯の隙間が広い部位を清掃するのに適しています。また、ブリッジをしている人も歯間ブラシで磨くとプラークを除去しやすいです。
人によっては「フロスだけで十分」と思うかもしれませんが、歯の隙間が広かったり、ブリッジをしたりしている人はフロスに加えて歯間ブラシも使用しましょう。
自分に合ったフロスの選び方
スーパーやドラッグストアのフロスコーナーには数多くのアイテムがあるため、どれを選んだら良いのか迷う方もいるのではないでしょうか。 いろんなフロスがありますが、ポイントを押さえれば簡単に自分に合ったフロスを選ぶことができます。押さえておくべきなのは、フロスの種類と素材です。
種類で選ぶ
数多くあるように思えるかもしれませんが、フロスは「ホルダータイプ」と「ロールタイプ」の2種類だけです。
この2つの違いを知っておけば、自分に合ったフロスを簡単に選べます。
ホルダータイプ
ホルダー(持ち手)にフロスが付いているため、コツが要らず誰でも簡単に使えるのが特徴です。初心者や子どもでも簡単に使えるタイプのフロスといえます。
ホルダータイプには「F字型」と「Y字型」があります。F字型は前歯に使いやすく、Y字型は前歯にも奥歯に使いやすいのが特徴です。
ホルダーが付いていないロールタイプのフロスだと、奥歯の清掃には指を口の奥まで入れる必要がありますが、ホルダータイプだとその必要がありません。
ロールタイプ
フロスのみでホルダーがないため、必要な長さに切って使用します。フロスの両端を両手の指に巻き付けて使用するので、フロスを切るときは指に巻き付ける分の長さも確保して切らなければなりません。
ホルダータイプと比べて扱いが難しいですが、慣れるとそんなに不便は感じません。ホルダーがない分、コスパが良いのもメリットです。
素材で選ぶ
フロスの素材は、ワックス加工されているものと、そうでないものがあります。どちらが良いとは一概にはいえず、それぞれにメリットとデメリットがあるので、両方を比較して自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。
ワックスタイプ
ワックスタイプは、フロスをワックスでコーティングしているため滑りやすく、狭い歯と歯の間にも入り込みやすいのがメリットです。歯と歯が重なりあっている部分にもスルッと入るため、ノンワックスタイプでは引っかかるような部分でも使えます。
また、フロスが切れにくいため、フロスに慣れていない方でも扱いやすいのがメリットといえるでしょう。
ノンワックスタイプ
ノンワックスタイプは、フロスをワックスで固めていないタイプのものです。ワックスで固めていない分、繊維が広がりやすく歯の隙間にフィットして汚れを落としやすいのがメリットといえます。
ただし、滑りが良くなく、引っかかって切れやすいのがデメリットです。
高いプラーク除去効果を求めるならノンワックスタイプ、歯の隙間が狭い方や扱いやすさで選ぶならワックスタイプがおすすめです。
【場所別】フロスの使い方
フロスを正しく使えないと、フロスによるプラーク除去効果が限られてしまいます。特にロールタイプのフロスは使い方にコツがいるので、使用する場所別に使い方を覚えておくことをおすすめします。 ロールタイプのフロスは切って指に巻いて使います。基本の持ち方は以下のとおりです。 1. フロスは40cmくらいの長さに切る。 2. 切ったフロスを両手の中指に2~3回巻いて15cmくらいの長さにする。 3. フロスをピンと張って、両手の親指と人差し指でフロスをつまむ。(指の間は1~2cm開く) 上記が基本の持ち方です。 以降は、歯の箇所によって適した使い方をそれぞれ紹介するので、基本の持ち方を実践しながら覚えていきましょう。
上の前歯
上の前歯は、片方の手の親指と、もう一方の手の人差し指で上向きにフロスを押さえて使用します。
フロスを歯の隙間に入れるため、片方の手の指は歯の内側に、もう一方は歯の外側になるようにしてフロスを前後にスライドさせながら、ゆっくりと入れていきましょう。フロスはピンと張った状態をキープし、左右の歯の側面を沿って上下に数回動かします。
両サイドを清掃したら、フロスをゆっくりと引き抜きます。
同じ方法で上の前歯すべての歯の間を清掃していきますが、使用した部分のフロスをずらして新しい部分を使用しましょう。
上の奥歯
上の奥歯は、前歯を磨くときとは持ち方を変えます。両手の人差し指を使って上向きにフロスを押さえましょう。
清掃方法は上の前歯と同様に、フロスを前後にスライドさせながらゆっくりと入れ、歯の側面に沿って上下に数回動かします。両方の歯の側面を清掃したらフロスをゆっくりと引き抜いて、別の歯をフロスの新しい部分を使って清掃していきましょう。
下の歯
下の歯は、前歯も奥歯も同じ持ち方です。両手の人差し指を使って下向きにフロスを押さえて、上の前歯・奥歯と同じように清掃していきましょう。
いずれも歯肉炎がある部位は出血しやすいため、出血したからといって使用方法が間違っているわけではありません。プラーク除去をして歯肉の炎症が解消されると、出血はおさまります。ただし、歯肉の炎症が治まることで隙間が広くなることもあります。
フロスは、少なくとも1日1回の頻度で 使用すると良いでしょう。
まとめ
フロスを使うと、歯と歯の間のプラークや食べかすなどを除去できるため、歯と歯茎の健康維持に役立ちます。
通常の歯ブラシだけでは落ちない汚れも落とせるので、食後はフロスや歯間ブラシなどを使った歯の清掃を毎日の習慣にしましょう。